アロマディフューザーを買ったけど、「結局、何滴たらすのが正解?」
30mlのスプレーを作りたいけど、「1%濃度って、つまり何滴のこと?」
高価なアロマオイル(精油)、失敗して無駄にもしたくないし、猫や赤ちゃんへの影響も心配…。
私自身、アロマブログを運営する中で、これらすべての疑問につまずいてきました。
そんな「計算したい慎重派」のあなたへ。
この記事は、単なる「3〜5滴」といった曖昧な目安を提示するものではありません。
「1滴=何ml」という基本から、あなたが今すぐ使える「濃度計算・早見表」、そして競合サイト(専門企業)にも負けない「安全性」の知識まで、すべてを網羅した「決定版ガイド」です。
この記事を読めば、あなたが持つボトル(10ml, 30ml, 50ml, 100ml)に最適な滴数を、あなた自身で正確に計算できるようになります。
【結論】アロマオイル(精油)の希釈・濃度 計算早見表

この記事の結論からお伝えします。
アロマディフューザーのように「香りを嗅ぐだけ」なら、滴数は好みや部屋の広さで決めて構いません。
しかし、アロママッサージやスプレーなど、肌に触れたり手作り(クラフト)したりする場合、滴数は「濃度(%)」で正確に計算する必要があります。
なぜなら、精油(アロマオイル)は非常に高濃縮な天然成分であり、濃度を間違えると肌荒れや刺激の原因になってしまうからです。
そこで、初心者が「計算したい」「失敗したくない」という疑問に一発で回答できるよう、安全かつ効果的な「濃度計算」の答えを一覧表(早見表)にしました。
まずはこの表をご覧ください。「1滴=0.05ml」として計算しています。
| 基材(水・キャリアオイル) | 濃度 0.5%(顔・敏感肌) | 濃度 1%(全身マッサージ) | 濃度 2%(ルームスプレー) |
| 5ml | 0.5滴 (約1滴) | 1滴 | 2滴 |
| 10ml | 1滴 | 2滴 | 4滴 |
| 30ml | 3滴 | 6滴 | 12滴 |
| 50ml | 5滴 | 10滴 | 20滴 |
| 100ml | 10滴 | 20滴 | 40滴 |
【この早見表の使い方(補足)】
この表の使い方は簡単です。
あなたの「作りたい量(ml)」の行と、「目的(%)」の列が交差する数字が、あなたが入れるべき「滴数」です。
- 例1:「キャリアオイル50mlでマッサージオイルを作りたい」
- → 表の「50ml」の行と、「濃度1%(全身マッサージ)」の列が交差する「10滴」が答えです。
- 例2:「100mlのスプレーボトルでルームスプレーを作りたい」
- → 表の「100ml」の行と、「濃度2%(ルームスプレー)」の列が交差する「40滴」が答えです。
このように、アロマクラフトでは「滴数」を「濃度(%)」で管理することが、安全に楽しむための最も重要なルールです。
次の章では、この「1滴=0.05ml」という計算の基本や、ディフューザーなど「芳香浴」の場合の目安について、さらに詳しく解説していきます。
アロマオイル滴数「計算の基本」 1滴の価値と濃度の法則

前の章でご覧いただいた「早見表」は、すべてこの章で解説する「基本ルール」に基づいて作られています。 なぜあの滴数になるのか? その「計算の根拠」と「安全のための考え方」を、ここでしっかり学んでいきましょう。 この法則さえ覚えてしまえば、早見表にない量(例:20ml)でもご自身で計算できるようになります。
1. すべての基本:アロマオイル(精油)「1滴」は 約0.05ml
まず、アロマテラピーの計算で最も重要になる「魔法の数字」があります。 それが「1滴 = 約0.05ml」というルールです。
これは、アロマオイル(精油)の瓶についているドロッパー(中栓)からポタっと落ちる、標準的な1滴の量です。国際的な基準(欧州薬局方)でも採用されており、世界中のアロマテラピストがこの「1滴=0.05ml」を基準に計算をしています。
もちろん、オイルの粘度(サラサラかトロトロか)や、瓶の形状によって「約」0.04ml〜0.06mlと多少の誤差は出ます。 しかし、ご家庭で安全に楽しむための計算としては、「1滴=0.05ml」と覚えておけば間違いありません。
(この「1滴≒0.05ml」という基準は、公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)などの専門機関でも採用されています。)
2. コスパがわかる:10mlボトルは何回(何日)使える?
「1滴=0.05ml」ということがわかると「5mlや10mlのボトルは、何滴分なの?」という疑問に正確に答えることができます。
- 1ml = 1 ÷ 0.05 = 20滴
- 5mlボトル = 20滴 × 5ml = 100滴
- 10mlボトル = 20滴 × 10ml = 200滴
精油は小さな瓶に入っていて高価に見えますが、実は非常にコストパフォーマンスに優れています。 例えば「10mlでどのくらいもつ?」という疑問で考えてみましょう。
10ml(約200滴)のラベンダーオイルを買い、ディフューザーで毎日1回「5滴」使うとします。 200滴 ÷ 5滴/日 = 40日分 もしこのオイルが3,000円だったとしても、1日あたり75円で本格的なアロマを楽しめる計算です。
また、「10mlボトル(200滴)」があれば、
- 全身マッサージオイル(1回10滴使用)なら 20回分
- ルームスプレー(1回20滴使用)なら 10回分 も作ることができます。
「1滴の価値」を知ることは、あなたの「アロマライフの計画」を立てる上で非常に役立ちます。
3. 【最重要】なぜ「滴数」ではなく「濃度(%)」で考えるべきなのか
これが、この記事でお伝えしたい最も重要な安全ルールです。 特に、肌に塗るマッサージオイルや、手作りスプレーを作る時、初心者は「滴数」の“落とし穴”にハマりがちです。
例えば、「スプレーには10滴入れる」とだけ覚えてしまった人を想像してみてください。
- Aさん: 50mlのスプレーボトルに10滴入れた → 濃度は1%(安全)
- Bさん: 20mlの小さなスプレーボトルに10滴入れた → 濃度は2.5%(刺激が強い)
同じ「10滴」でも、全体の量(薄める基材)が違えば、濃度はまったく変わってしまいます。Bさんのスプレーは、Aさんの2.5倍も濃いものになってしまったのです。
精油は、ラベンダー1kgの花からわずか10ml程度しか抽出できないほど、植物の力が凝縮された「高濃縮な液体」です。 その強力なパワーゆえに、原液のまま肌につけたり、濃すぎる濃度で使ったりすると、肌荒れ、アレルギー反応、頭痛(私の失敗談のように)を引き起こす原因となります。
だからこそ、アロマテラピーでは「何滴入れたか」という曖昧な基準ではなく、 「全体に対して、何%の濃度になっているか?」 という「濃度(%)」を絶対的な基準として使います。
「濃度(%)」で考えることは、薄すぎて効果が出ないことを防ぎ、濃すぎて肌トラブルを起こすことを防ぐ、「安全」と「効果」を両立させるための最も重要な知恵なのです。
安全な濃度の目安
- 0.5%以下: 顔用、または非常に敏感な肌(皮膚が薄くデリケートなため)
- 1.0%以下: 全身用のアロママッサージ(国際的なアロマテラピーで推奨される、安全かつ効果的な黄金比です)
- 1.0%〜2.0%: ルームスプレー、アロマバーム(空間芳香や局所的な使用のため、1%より少し高くても安全に使える範囲です)
- 3.0%以上: 専門家の指導が必要なレベルです。ご家庭での手作りでは、最大でも2%までを守るようにしましょう。
【シーン別】アロマオイルの滴数と正しい使い方

「計算の基本」を踏まえ、いよいよ具体的なシーン別の使い方です。 アロマオイルの楽しみ方は、大きく以下の2つに分かれます。
- 芳香浴(ほうこうよく): 香りを嗅いで楽しむ。濃度計算は不要で、「好み」や「部屋の広さ」で調整します。
- 手作りクラフト: 肌に触れるものを作る。「濃度計算」が必須となります。
それぞれの正しい使い方と滴数の目安を、詳しく見ていきましょう。
1. 芳香浴(香りを嗅ぐ)
火や電気を使って空間全体に香りを広げたり、ティッシュなどで手軽に楽しんだりする方法です。肌には触れないため、濃度計算は必要ありません。
- 超音波式ディフューザー(無印良品、フランフランなど)
- 目安:3〜5滴(水100mlに対して)
- 根拠と調整法:
- これは、6畳〜8畳の一般的なお部屋で心地よく香る、最も標準的な目安です。
- まずは「3滴」から始め、香りが弱いと感じたら1滴ずつ足してみてください。逆に、ペパーミントやユーカリなど香りがシャープなものは、少なめの2滴から試すのが安全です。(私の失敗談のように、入れすぎると頭痛の原因にもなります)
- 大容量タイプの場合:
- 無印良品の水350mlタイプなら、7〜10滴程度が目安です。
- 500mlの大型ディフューザーなら、8〜12滴程度を目安に、お部屋の広さに合わせて調整してください。
- ※ブレンドする場合:
- 複数のオイルをブレンドする場合も、合計で3〜5滴(水100mlあたり)になるように調整してください。(例:ラベンダー2滴+オレンジ3滴=合計5滴)
【私の愛用例(黄金比)】
私は、無印の「超音波うるおいアロマディフューザー」に、同じく無印の「くつろぎブレンドシトラス」を4滴垂らして使うのが、一番心地よい黄金比です! (もし香りが弱いと感じたら、こちらの記事「アロマディフューザーが香らない!【ミスト式・スティック式】タイプ別の原因と復活術(無印で香らない人も必見)」もご覧ください。無印のオイルについては「【2025年版】無印良品のおすすめアロマオイル7選!失敗しない選び方から価格、口コミまで徹底解説」や「無印アロマオイルの使い方|ディフューザー何滴・ストーン・お風呂・スプレー完全ガイド」で詳しく解説しています)
- アロマストーン
- 目安:1〜3滴(ストーンの真上に垂らす)
- 使い方:
- 電気や火を使わないため、安全で手軽な芳香器です。香りは半径1m以内のパーソナルな空間で優しく香ります。
- デスク周り(仕事中)、枕元(就寝時)、玄関、トイレ(来客時)などに最適です。
- 香りは半日〜1日ほど持続します。弱くなってきたら、そのまま1〜2滴追加で垂らしてください。
- (お手入れ方法は「アロマストーンは洗うとNG?【無印・スリコ・100均】素材別の洗い方と、カビ・虫を防ぐお手入れ方法」で解説しています)
- 道具なし(ティッシュ・マグカップ)
- 目安:1〜2滴
- ティッシュ:
- 最も手軽な方法です。ティッシュやコットンに1〜2滴垂らし、デスクや枕元に置いておくだけで、自分だけの香りが楽しめます。名刺入れやカバンに忍ばせておくのもおすすめです。
- マグカップ(スチーム吸入):
- マグカップに熱いお湯(80℃くらい)を注ぎ、精油を1〜2滴垂らします。立ち上る湯気(スチーム)と共に香りが広がります。
- 【注意点】 風邪の季節や花粉の時期(ユーカリ、ティーツリー等)に効果的な方法ですが、蒸気で火傷しないよう顔を近づけすぎないこと、目を閉じて吸入すること(ミント系などは目がしみます)を守ってください。
2. 手作りクラフト(肌に触れる・混ぜる)
ここからが本番です。アロママッサージやスプレーなど、肌に直接触れたり、肌に触れる可能性があるものを作ります。 そのため、H2で学んだ「濃度(%)」のルールが必須となります。 (※必ず「精油/Essential Oil」と書かれた100%天然のものを使用し、100均などの「アロマオイル/フレグランスオイル(雑貨)」は絶対に使用しないでください)
- アロママッサージオイル
- なぜ薄める?: 精油は高濃縮なため、原液のまま肌に塗ると刺激が強すぎます。必ず「キャリアオイル」という”運び屋(Carrier)”の役目をする植物油で、安全な濃度(1%以下)に薄めます。
- キャリアオイルとは: ホホバオイル、スイートアーモンドオイル、アルガンオイルなどが代表的です。(ホホバオイル=酸化しにくく肌質問わず万能。スイートアーモンドオイル=滑らかで保湿力が高い、など特徴があります)
- 濃度の目安: 1%(全身用)または 0.5%(顔・敏感肌)
- 例(PAAの答え): キャリアオイル50mlで全身用(1%)を作る
- 計算式: 50ml ÷ 5 = 10滴
- 答え: 10滴
- 【安全】 使用前に、必ず二の腕の内側などでパッチテスト(薄めたオイルを少量塗り、24時間様子を見ること)を行ってください。
- アロマスプレー(ルームスプレー)
- なぜエタノールが必要?: 精油は水に溶けません。水と油を混ぜ合わせる「乳化剤」として、無水エタノール(または消毒用エタノール)が必須です。
- 濃度の目安: 1%〜2%
- 例:30mlのスプレーボトルで2%濃度を作る
- 答え: 12滴
- 作り方:
- スプレー容器に無水エタノール3ml(小さじ1杯弱)を入れます。
- 精油12滴を加え、容器を振ってよく混ぜ溶かします。
- 精製水27ml(または水道水)を加え、さらによく振って完成です。
- 【安全】 精製水を使っても、防腐剤が入っていないため1〜2週間を目安に使い切ってください。使用前は毎回よく振ってからスプレーしてください。
- アロマバーム(ワセリン・練り香水)
- 濃度の目安: 1%〜2%
- 例(サジェストの答え):ワセリン10g(約10ml)で1%のバームを作る
- 答え: 2滴
- 作り方:
- ワセリン10gを耐熱容器に入れます。
- 湯煎(ゆせん)にかけてゆっくり溶かします。
- 火から下ろし、精油2滴を加えて割り箸などで素早く混ぜます。
- 冷める前に保存容器に移し、冷やし固めたら完成です。
- 【応用】 ワセリンの代わりにシアバターやみつろうでも作れます。「練り香水」や「指先の保湿バーム」として使うのがおすすめです。
- バスボム・バスソルト(アロマバス)
- 【最重要NG!】 お風呂に精油の原液をそのまま垂らさないでください!
- 精油は水に溶けず、お湯の表面に「油膜」として浮きます。その高濃縮な原液が直接肌に触れ、ヒリヒリしたり赤くなったりする「皮膚刺激」の最大の原因となります。
- 正しい入浴法:
- 必ず「基材」(天然塩、ハチミツ、キャリアオイルなど)に一度混ぜて溶かしてから、お湯に入れてください。
- 濃度の目安: 1%(滴数で言うと1〜5滴まで)
- 例(バスソルト):
- 天然塩 大さじ2杯(約30g)に、精油を最大6滴(=約1%濃度)まで垂らしてよく混ぜます。それをお湯に溶かして入浴します。
- 例(足湯):
- 洗面器にお湯を張り、上記と同様に基材に混ぜた精油を1〜2滴垂らします。
- 【最重要NG!】 お風呂に精油の原液をそのまま垂らさないでください!
【最重要】ペットや赤ちゃんは? アロマオイルの安全性Q&A

滴数の目安と並んで、あるいはそれ以上に重要なのが「安全性」です。
読者が抱く不安(高リスクな疑問)にすべてお答えします。
まとめ:目安は「賢い近道」。でも一番大事なのは「あなたの主観」です

この記事では、アロマオイルの「何滴?」というシンプルな疑問から始まり、安全に楽しむための「濃度計算」、そして具体的なシーン別の使い方まで、網羅的に解説してきました。
あなたは、この記事を読む前より、はるかに深くアロマオイルを「論理的」に理解できているはずです。
最後に、あなたがアロマライフを始めるために、絶対に覚えておいてほしい重要なポイントを「まとめ」として振り返り、私の経験から一番お伝えしたいことをお話しします。
この記事のまとめ(重要ポイントの振り返り)
- 【計算の基本】「1滴=約0.05ml」がすべての土台
- この「魔法の数字」があったからこそ、10mlボトルが約200滴であるという「コスパ」がわかり、次の「濃度計算」が可能になりました。この基本を知っているだけで、あなたはもう初心者ではありません。
- 【肌に使う場合】「滴数」ではなく「濃度(%)」で考える
- なぜこれが重要だったか。それは、あなたの「肌の安全」を守る唯一の方法だからです。「50mlに10滴(=1%)」といったように、**「全体の量」に対して何%になるのか?**を考える癖をつけてください。これが、肌荒れや刺激(アレルギー)を防ぐ最大の防御策です。
- 【香りを嗅ぐ場合】「部屋の広さ」と「滴数」で調整する
- 6畳で3〜5滴という目安は、あなたの「快適さ」のための指標です。私の失敗談のように、たった1滴の違いで快適さが「不快」に変わることもあります。まずは「目安より少なめ」から試し、あなただけの「黄金比」を見つけてください。
- 【最重要の安全】猫、犬、赤ちゃんへの配慮を忘れない
- あなたにとっては心地よい香りも、体の小さなペットや赤ちゃんにとっては負担になる(特に猫には危険である)可能性があります。自分以外の大切な存在を守る知識として、これだけは絶対に忘れないでください。
「安全の知識」を身につけた、あなたへ
アロマオイルの滴数を目安通りに使うのは、失敗が少なく、とても合理的で賢い方法です。特に初心者の方は、まずこの記事で学んだ「計算」や「濃度」という「守りの知識」をしっかり守ることから始めてください。
ですが、この記事の最後に、私が一番大事にしていることをお伝えします。
それは、アロマテラピーの本当の喜びは、滴数などにこだわるのではなく、「あなたの今の主観」を大切にすることにある、ということです。
実際に使ってみるとわかりますが、香りの印象は、その日の気温や湿度、あなたの体調や気分の変化だけでまったく変わります。昨日「最高!」と思った香りも、次の日には「あれ?」と疑問に思うこともしばしばあります。
昨日ちょうど良かった3滴が、今日は強すぎたり、逆に弱すぎたりと、安定していることの方が少ないのです。
「守りの知識(計算や濃度)」は、あなたが大胆に香りを楽しむための「安全な土台」に過ぎません。
その土台をしっかり手に入れた今こそ、ぜひ色々な精油の瓶を開けて「今日はこの香りの気分だな」と感じる、その日、その時の「いい香り」を大切にしてください。
それこそが、計算や目安を超えた、アロマテラピーを楽しむ一番の近道だと私は思っています。
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